第三話 初めてのオオクワガタ
はなちゃんには九州に住んでいるおじいちゃんがいます。
パパがほうじというごせんぞさまのおまえりで九州に行ってきた時のことです。
「みんな、オオクワガタって知ってるかい?」
とパパが聞きました。確か夏休みのりょこうでもちかえったのは、コクワガタでした。
はなは、
「コクワガタのお父さんのこと?」
と聞きました。
おにいちゃんは、
「図鑑でみたことあるよ!」
といいました。
「実は、おじいちゃんの知り合いでクワガタとりの名人がいるらしい。おにいちゃんとはながコクワガタを飼っていると話したところ、オオクワガタが採れたらわけてもらえるよう話してくれるって。」
はなちゃんは、オオクワガタがどんなクワガタが知りたくてさっそく子供部屋からずかんをもって来ました。
みんなで、ずかんで調べると、体長7cmのまぼろしのクワガタと書いてありました。
「写真でみるとはなのいうとおりコクワガタのお父さんのようだね」
とおにいちゃんがいいました。
パパが言うにはオオクワガタとコクワガタは親子ではないのですが、しんせきにあたるそうです。
それから一週間ほどたってからでしょうか。
九州のおじいちゃんから電話が来ました。パパがニコニコしながら話しています。
「オオクワガタは、なかなか捕まえられない。飼育したものでよければゆずってくれるって」
とパパがいいました。
「ヤッター」
とおにいちゃんとはなちゃんがさけびました。
今日は、いよいよ九州のおじいちゃんからオオクワガタが届く日です。
はなちゃんは、やはりおんなの子が気になります。宅配やさんがブザーをならしたのは11時をまわったころでした。
ダンボールのはこのなかには二つの小さなすいそうが入っていました。
さっそく一つ目のケースをパパが開けるとおがくずの中から黒い大きなクワガタが出てきました。
「でっかいぞ!」
パパが叫びました。その♂のオオクワガタは角をふりかざしていかくします。
「カッコイイぞ!」
今度は、おにいちゃんも叫びます。
はなちゃんは、おんなの子が気になります。
こんなに勇ましいクワガタのおんなの子は、どんな子なのでしょうか。
パパが、いよいよもう一つのケースを開けました。
さっきよりかなり小さいクワガタが出てきました。
もちろん角はありません。せいかくには、小さな角がついています。
はなちゃんは、その子の愛らしい目はもちろんですが、何よりもせなかに見とれてしまいました。
黒いピカピカの羽の上に細かいてんてんで何本もすじが通っています。
かぶちゃんのおんなの子よりまちがいなくきれいです。
用意していたすいそうに放すと二匹ともあっという間にもぐってしまいました。
おにいちゃんと二人で名前をつけることにしました。
「クワッチってどうかな?」
はなちゃんが、言いました。